経営者・起業家・創業予定の皆さん、お疲れ様です!中島です。
ところで、新会社法の成立に伴って、新しく設けられた制度に「会計参与」があります。
この制度の目的は、ズバリ、「中小企業会計の適正化」です。
つまり、裏を返せば、中小企業の決算書は「いい加減で信用できない」と言われているも同然です。(涙)
「失礼なっ!うちはちゃんとやってるぞ!!」という社長さん、お怒りはごもっともですが、ひとまず、話しをお聞き下さい。
それでは、どこがどのように「いい加減」と言われているのでしょうか。
例えば、
回収の見込みがない売掛金や受取手形等の不良債権を資産として計上していたり、
大幅に値下がりした土地を購入当時の価格(簿価)のままで計上していたり、
帳簿に載せていない借金(簿外債務)があったり、
と、実態を反映していないことが問題視されているのです。
これは何を意味するのか?
事実上の粉飾決算 → 利益の水増し → 株主や債権者を欺く行為
→ 取引先や金融機関の信用失墜
その結果、
ツケ買い(買掛)・手形払い等の信用取引ができなくなったり、
銀行から貸し剥がしを受けたり、
新規の融資を断られたり、
などの事態に陥いる可能性も・・・・。(汗)
もう皆さん、お分かりですよね。
そうです。
会計参与は、このように評価の低い中小企業の決算書類について、その信頼性を高めるために設けられた制度なのです。
新会社法に基づく株式会社の機関で、設置は任意です。その役割は、取締役や執行役と共同して、正しい決算書類を作成することです。
会計参与になれるのは、税理士・税理士法人・公認会計士・監査法人に限られています。
その責任は重く、粉飾決算などに厳格な対応をしないと、会社に対しては、株主代表訴訟の対象となることで責任を負い、取引先や金融機関などの第三者に対しては、損害賠償の責を負うことになります。
中小企業にとって会計参与を設置することのメリットは、第一に資金調達の円滑化ではないでしょうか。
金融検査マニュアルの登場以降、金融機関は決算書重視の融資姿勢を鮮明にしています。
税理士や会計士という専門家が、大きな責任を担って作成した決算書なら、十分信頼に足ります。
事実、三井住友銀行の「クライアントサポートローン」等、決算書の作成に税理士が関与することで、貸出条件が緩和される金融商品もあります。
三井住友銀行「クライアントサポートローン」
http://mo-v.jp/?6ba
第二のメリットとしては、IPO(株式公開)を目指す企業にとって、ベンチャーキャピタルやファンドからの出資が受けやすくなる、という点があげられるでしょう。
やはり、投資を受ける際も、計算書類の正確性がものをいいます。加えて、株式公開の直前2期は会計監査を受けなければならないため、これより前に、決算書をきれいにしておく必要もありますしね!
逆にデメリットとしては、税理士さん、会計士さんに支払う「参与報酬」が発生することです。
会社法では、報酬額に関する規定はありませんので、コスト・パフォーマンスを考慮して、税理士さん、会計士さんと交渉してください。
尚、参考になりそうな資料のリンクを以下に添えておきます。
1.中小企業の観点からの会社法制の現代化のあり方について
http://mo-v.jp/?28ef
2.中小企業の会計
http://tinyurl.com/382wp7 【平成19年4月指針改正対応版】
3.「中小企業の会計に関する指針」の公表について
http://mo-v.jp/?28f1
それでは、本日は暑いので、これにて御免っ!
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